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【第6回】
外来需要が増加する3つの傷病分類とは?
-データで見る医療介護の現状(6)-
こんにちは。医療介護経営支援を行うCBメディカルの小林です。
前回、人口推計から見るとグラフ1のように外来患者は減少傾向となる見込みであると
書きました。
グラフ1
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計
外来患者の年齢構成比をみると約半数が65歳未満です。
今後、高齢者増加による需要の増加分以上に、人口減少による需要減少の影響を大きく受ける
ことが見込まれます。
今回は、もう一歩踏み込んで、傷病毎に外来患者の状況を見てみましょう。
まずは傷病毎の外来患者の年齢構成比を確認します(グラフ2)。
グラフ2
出典:平成29年患者調査をもとに作成
灰色のスケールで示したものが65歳未満の年齢構成比です。
オレンジ色のスケールで示したものが65歳以上の年齢構成比です。
65歳以上の年齢構成比が高いのは、「9 循環器系の疾患」や
「13 筋骨格系及び結合組織の疾患」等です。
一方で、65歳未満の年齢構成比が高いのは「15 妊娠,分娩及び産じょく」
「16 周産期に発生した病態」等です。
この年齢構成比をもとにして、外来患者の増減率をシミュレーションしてみた結果が
グラフ3のとおりです。
グラフ3
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計
2015年を基準にしたときに外来患者数が増える傷病分類を青色、減るものを赤色、
あまり変わらないものを灰色のスケールで表しました。
外来患者数が増えるのは、「9 循環器系の疾患」「13 筋骨格系及び結合組織の疾患」
「6 神経系の疾患」の3分類のみです。
外来患者数があまり変わらないのは、「7 眼及び付属器の疾患」
「4 内分泌,栄養及び代謝疾患」「2 新生物<腫瘍>」3分類です。
その他の14分類については減少傾向になると見込まれます。
今回のシミュレーションは全国平均ですが、人口減少が進む地域においては、
より急激に外来患者数が減少する恐れがあります。
クリニックの新規開設や医師採用においては、このような傷病分類別のシミュレーションを
参考にしてみてはいかがでしょうか。
|発行元
株式会社産労総合研究所『医事業務』編集部
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