厚生労働省は1月18日、2021年度介護報酬のサービスごとの報酬額を取りまとめました。
サービス全体の改定率は、全体で0.65%プラスで、10月までの半年間は、新型コロナウイルス対策として、さらに0.05%が上乗せされることになります。
この結果、訪問看護など一部を除いて、ほとんどのサービスで基本報酬が増額されることとなりました。
このうち感染拡大で利用控えが続くデイサービスなどの通所介護では、新型コロナウイルスによる上乗せ分を除いて、およそ1%ほど基本報酬が引き上げられます。
また、CHASE・VISITへのデータ提供が、多くの加算の算定要件に加えられました。
利用者の自立支援・重度化防止の効果が科学的に裏付けられた介護、いわゆる「科学的介護」の展開に結びつける狙いがあります。
「科学的介護」では、CHASEのフィードバック機能を使い、事業所の特性やケアのあり方を検証してケアプラン、サービス計画の見直しにつなげるなど、現場でPDCAサイクルを回す取り組みを評価します。
CHASEの活用を新たに評価する既存の加算は、例えば個別機能訓練加算、リハビリテーションマネジメント加算、栄養マネジメント加算などがあります。
厚生労働省は、介護記録ソフトとのデータ連携を可能にするなど、入力負担の軽減に最大限の努力をする構えをみせています。
IT化があまり進んでいないと言われる介護業界でも、デジタル技術による業務の変革を迫られそうです。
この他にも、無資格の介護職員に対する認知症対応研修の受講義務化、感染症や災害発生時でも必要な介護サービスが継続的に提供できる体制を構築するための指針・計画策定、研修・訓練の実施の義務化など、今回の改定により義務化されたものもあります。
義務化に伴い、3年の経過処置期間が設けられているものの、事業者には義務化要件への計画的な対応が求められています。
出所:厚生労働省