2021年2月16日、日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会が共同で新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の第3四半期についての調査結果を発表しました。

3団体が共同で同団体に登録されている全4,410病院にアンケートを実施。これに対し、全体の33.4%にあたる1,475病院より有効回答がありました。

調査の結果、外来では第3四半期の平均外来患者延数が前年同期比7%程度落ち込み、病床稼働率も前年同期比4%程度の低下が見られました。第1四半期では平均外来患者延数-17%程度、病床稼働率-8%程度、第2四半期では平均外来患者延数が-9%程度、病床稼働率-5%程度であったため、前年同期比でマイナスが続いているものの、患者数はやや回復傾向にあることが分かります。

4月~12月の医業利益の推移では、コロナ患者受入なしの病院では前年同期比-2.1%の利益減だったのに対し、コロナ患者受入ありの病院では前年同期比-5.1%の利益減だったことから、コロナ患者受入ありの病院の方が新型コロナウイルスの影響が大きかったようです。ただ、第1、第2四半期と比べ、コロナ患者受入ありの病院とコロナ患者受入なしの病院では医業利益の差が縮まってきており、いずれも四半期ごとの赤字幅が減少傾向であることが分かりました。これは、賞与の満額支給を行った病院の割合が、夏季では71.3%だったのに対し、冬季では60.7%まで低下しており、人件費も含めた医業費用の削減が進んでいるためだと考えられます。

また、第3四半期で医業収益のでマイナス幅の大きかったものは、全体では健診・人間ドッグ等収入、室料差額・その他医業収入、入院診療収入の順でした。

医療機関では減収が続いている一方で、支援金の入金状況は全国平均で59.7%にとどまっています。この支援金が満額支給されれば、ある程度の経営改善が見込まれそうです。今後も地域に必要な医療提供体制を維持していくために、行政による医療機関への継続的な支援が望まれます。


新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の第1四半期についての調査結果
新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の第2四半期についての調査結果
新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の第3四半期についての調査結果

出所:日本病院会