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【第9回】
準備を始めるなら“今”。近い将来、患者減少時代に突入する。
-データで見る医療介護の現状(最終回)-
こんにちは。
医療介護経営支援を行うCBメディカルの小林です。
これまで、全国的に将来の患者数がどのように変化していくのかを見てきました。
最後に、都道府県別に将来の患者数の変化を見てみましょう
(都道府県別の患者の増減率をまとめた表をご参考ください)。
表 都道府県別 患者の増減率
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に作成。
(平成29年時点の年齢5区分別受療率に、各都道府県の年齢5区分別推計人口を掛けて算出した)
グラフ1は、直近5年間(2020年~2025年)の都道府県別の患者増減率を散布図に
プロットしたものです。
グラフ1
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に作成。
(平成29年時点の年齢5区分別受療率に、各都道府県の年齢5区分別推計人口を掛けて算出した)
グラフ1では、横軸に入院患者の増減率を取り、縦軸に外来患者の増減率を取りました。
グラフ1の右上のエリアは入院患者も外来患者も増加する自治体がプロットされています。
右下のエリアは、入院患者は増えるものの外来患者は減る自治体がプロットされています。
グラフ1を見ると、直近5年間では全ての自治体で入院患者が増える見込みであることが
分かります(全ての都道府県が散布図の右側にプロットされています)。
一方で、多くの自治体で外来患者が減る見込みであることも分かります
(右下のエリアに点が多く集まっています)。
グラフ2では、2025年から2045年の患者増減率をプロットしました。
グラフ2
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に作成。
(平成29年時点の年齢5区分別受療率に、各都道府県の年齢5区分別推計人口を掛けて算出した)
グラフ2の右上のエリアは入院患者も外来患者も増加する自治体がプロットされています。
左下のエリアは、入院患者も外来患者も減る自治体がプロットされています。
グラフ1と比べると、左下に点が移動していることが分かります。
多くの自治体が入院患者も外来患者も減るエリアに位置しており、
入院患者も外来患者も増えるエリアに位置しているのは東京都と沖縄県のみです。
2025年から2045年の変化を見ると、近い将来、患者減少時代に突入すると考えられます。
社会保障費抑制と合わせて医療機関経営がますます難しくなっていくことは
間違いありません。
生き残りのためには、地域ニーズに合わせた病床機能の見直しや、介護サービスへの
多角化等、大きな戦略の検討が必要です。
患者減少が始まってからでは検討の余裕もなくなってしまいます。
準備を始めるなら今なのかもしれません。
|発行元
株式会社産労総合研究所『医事業務』編集部
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