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【第7回】
入院患者は2030年まで増加傾向。その後は緩やかな減少へ。
-データで見る医療介護の現状(7)-
こんにちは。
医療介護経営支援を行うCBメディカルの小林です。
前回、外来患者は今後減少していくと書きました。
では、入院患者はどうでしょうか。
グラフ1をみると、入院患者の年齢構成比は65歳以上が、入院患者全体の約4分の3を
占めています。
今後、65歳未満が減少したとしても、大きな影響を受けないということが感覚的に分かる
のではないでしょうか。
グラフ1
出典:平成29年患者調査をもとに作成
年齢階級別の受療率を示したものが表になります。
受療率とは、人口に対して何人が入院しているかを表したものです。
表
出典:平成29年患者調査をもとに作成
65歳未満の受療率は1%以下であるのに対して、65~74歳は1.5%、75歳以上は4.0%です。
年々、人口が減少していますが、減っているのは65歳未満であり、65歳以上の人口は
増加しています。
65歳未満の人口減少による患者減よりも、65歳以上の人口増加による患者増が大きいうちは、
入院患者全体は減らないということになります。
グラフ2は、将来の年齢階級別人口推計と受療率を掛け合わせて、
入院患者数がどのように変化するのかをシミュレーションしたものになります。
グラフ2
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計。
65歳以上の入院患者数は、2030年まで大きく増加し、その後は緩やかな増加となります。
一方、65歳未満の入院患者数は一貫して減少していきます。
入院患者の増減を、2015年を基準とした増減率で示したものがグラフ3です。
グラフ3
出典:平成29年患者調査と国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計。
入院患者増減率の「全体」をみると、2030年が分岐点となり増加傾向から微減傾向に
変化していることが分かります。
2030年から2035年にかけては、65歳以上の増加率が0.3ポイントの増加に留まっているのに
対して、65歳未満の減少率は5.4ポイントと大きく減少しているためです。
入院患者について、2030年以降は微減が予測されるため、楽観視はできません。
しかし、2045年時点でも、2015年と比べて11.4%多い入院患者が見込まれるという推計です
ので、心配しすぎることもないと考えています。
このシミュレーションは全国的なものですので、地域別にみると状況は変わってきます。
特に、高齢化率の高い地域の場合、既に増加傾向から微減傾向への分岐点を迎えている可能性
がありますのでご注意ください。
次回は、疾患別に入院患者数の推移をみることで、もう一歩内容を深堀していきたいと
思います。
|発行元
株式会社産労総合研究所『医事業務』編集部
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