現在CBメディカルでは、医療に関するすべての事務業務の情報誌「医事業務」が配信する
メールマガジンにて、コラムを連載中です。
◇医療に関するすべての事務業務の情報誌「医事業務」
https://www.e-sanro.net/magazine_iryo/iji/
※「医事業務」は株式会社産労総合研究所が発行する情報誌です。
メールマガジンは無料でご覧いただけます。配信をご希望される場合は、
以下登録フォームよりご登録ください。
医事業務メールマガジン 登録フォーム
※「医事業務」メールマガジンの登録フォームに移動します。
【第1回】
「高齢者の急増」から「現役世代の急減」に局面が変化
-データで見る医療介護の現状(1)-
これらは社会保障費の抑制や建物の老朽化、少子化といった社会問題を背景にした、
今回の連載を通して、みなさまが、それぞれの地域の将来について理解し、
さて、医療介護の現状として、まず知っておきたいことは 「高齢者の急増」から
2年ほど前から、厚生労働省の各種会議資料にて、目にするようになったフレーズです。
(出典)2020年6月1日 第177回社会保障審議会介護給付費分科会(オンライン会議)資料
資料によると、2000年~2015年の15年間では53.7%も高齢者が増加しており、
2015年~2025年の10年間でも8.6%の増加が見込まれています。
しかし、2025年から2040年の15年間では6.6%しか高齢者は増加せず、
2025年以降、高齢者の増加は緩やかになります。
高齢者数と医療介護需要は相関関係にありますので、2025年以降、
医療介護需要の増加も緩やかになっていくと考えられます。
一方で、生産年齢人口(15~64歳)は2025年から2040年の15年間で
16.6%減少する見込みです。
支え手不足による社会保障費の抑制はもちろん、職員の確保も更に難しくなっていくことが
想定されます。
地域別の現状も見てみましょう。試しに東京都と秋田県の様子を比べてみます。
国立社会保障・人口問題研究所が公表している将来推計人口をもとに65歳以上の人口と、
65歳未満の人口の増減率をグラフにしました。
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計。
グラフでは、2015年を基準として、各年でどれだけ人口が増減するかを示しています。
例えば、2020年時点では、2015年に比べて65歳以上人口が5%増え、
65歳未満人口が1%増えていることが分かります。
10年区切りで増減率を見ていくと、東京都では、以下のように
高齢者(65歳以上)が増えていきます。
2015年~2025年で、高齢者は7%増加
2025年~2035年で、高齢者は13%増加(7%→20%)
2035年~2045年で、高齢者は16%増加(20%→36%)
全国的には、2025年以降は高齢者の増加が緩やかになると言われていますが、
東京都では、2025年以降むしろ増加ペースが加速することがわかります。
東京都では、当分の間、医療介護需要の増加は継続していくことがわかります。
では、秋田県の様子を見てみましょう。
出典:国立社会保障・人口問題研究所 日本地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)をもとに独自に集計。
秋田県では、2020年をピークに高齢者が減少していくことがわかります。
2045年では、2015年に比べて13%も高齢者が減少する見込みです。
65歳未満人口の減少も深刻で、2045年には、2015年と比べて56%も減少する見込みです。
秋田県では、医療介護需要の減少と人手不足の両方が深刻化していくことがわかります。
このように全国的に局面変化が起こると言われている状況ですが、
どのような局面変化が起こるのかは地域別に異なります。
地域別の現状を理解したうえで、医療機関の将来像を考えてくことが重要です。
次回は、各自の地域の将来像を調べることができるように、
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計を使ったデータの見方についてご紹介します。
|発行元
株式会社産労総合研究所『医事業務』編集部
ホームページ:https://www.e-sanro.net/magazine_iryo/iji/
|連載内容に関するお問合せ先
株式会社CBメディカル 「医事業務」メールマガジン担当
問い合わせフォーム:https://www.cb-m.co.jp/contact/